損益通算
税金を申告する為に、10種類の各所得の中で儲かったものと損をしたものを足し算、引き算して課税標準(課税される金額)を計算します。
この過程を損益通算する、といいます。
赤字所得のときに損益通算ができるのは以下の4つの所得の中でだけです。
不動産所得損失、事業所得の損失、山林所得の損失、譲渡所得の損失以上4つの所得の中で損失が出た場合には他の3つの所得の損益と差し引きすることが可能になっています。
※株式の損失については損益通算の対象外です。株式の取引の中での損失と利益の間だけでのみ損益通算できます。
土地、建物等の長期譲渡所得の金額、または短期譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額については土地、建物の譲渡による所得以外の所得との通算は認められない事になっています。またこれらは翌年以降への繰越も認められない事になっています。
損益通算できない所得について
配当所得の損失
給与所得の損失
一時所得の損失
雑所得の損失
譲渡所得の損失で生活に通常必要でない資産に関わるもの
利子所得、退職所得
赤字を損益通算する順番はあらかじめ決まっています。
その順番は以下の通りです。
①不動産所得と事業所得の赤字の場合、他の所得との通算をします。不動産所得と事業所得の赤字+利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、雑所得という事になります。
②譲渡所得の赤字
譲渡所得と一時所得の黒字との損益通算をします。
③①で通算してもさらに赤字がある場合、②の黒字と損益通算、
②で通算してもさらに赤字が残る場合、①の黒字と損益通算
④③でも通算できなかった赤字は山林所得、退職所得と通算します。
以上が税金がかかってくる所得(課税所得)を算出する為の損益通算のやり方です。
税金の計算についての解説です。この辺りの情報はかなり必要とされる方を選びますので、興味のない方は読み飛ばしていただければと思います。ここでは前回に引き続き、損益通算の後についての解説を掲載します。それぞれ所得の損益を通算した後、合計所得金額を計算します。
総合課税されるものと分離課税されるものを簡単にわけますと、以下のようになります。
総合課税
総所得金額=利子所得+配当所得+不動産所得+事業所得+給与所得+雑所得+総合課税短期の譲渡所得+(総合課税長期の譲渡所得+一時所得)×1/2
分離課税
分離課税長期の譲渡所得
分離課税短期の譲渡所得
株に関わる譲渡所得
山林所得
退職所得
損失の繰越控除
損益通算後の所得金額が赤字になった場合や、住宅買い替えの譲渡損失があった場合、雑損控除を差し引くと赤字になった場合には赤字を翌年以降3年間繰り越す事ができます。
純損失の繰越控除
損益通算で差し引くことができなかった損失の金額のうち、つぎの条件を満たしているものは純損失の金額として、翌年以降三年間繰越して控除することができます。
損失の生じた年分の青色申告書を確定申告期限内に提出していること、その年の翌年以降、連続して確定申告書を提出していること、損失の生じた年に青色申告を選択していること。
雑損失の繰越控除
所得金額から雑損控除を差し引くと赤字となった金額のうち、所得金額から差し引くことができなかった分は次の条件を満たす場合にその翌年以降3年間繰り越して総所得金額から控除できます。
雑損控除により赤字となった年の確定申告書を申告期限内に提出していること。
その年の翌年以降も連続して確定申告書を提出していること。
居住用財産買い替えの場合の譲渡損失の損益通算および繰越控除
居住用資産の売却および買い替えをした人で、その売却において譲渡損失が生じ、その年において損益通算してもなお引ききれなかった損失の金額がある場合には白色申告者であっても一定の要件を満たす場合には損失の生じた年の翌年以降3年間の繰越控除ができます。
特定の居住用財産の譲渡損失の繰越控除
居住用財産を譲渡した場合の譲渡損失について譲渡財産に関わる住宅借入金の残高がある場合にはその残高が譲渡価額を超える額を限度に損益通算、翌年以降3年間の繰越控除を認め、なお引ききれなかった損失がある場合には、損失が生じた年の翌年以降の3年間の繰越控除ができます。
上場株式等の譲渡損失の繰越控除
平成15年1月1日以降に上場株式等を譲渡したことにより生じた損失の金額はその損失の生じた年の翌年以降3年間にわたり、繰り越して株式の譲渡所得の金額から控除する事ができます。
損益通算後、合計所得金額を計算し、上記繰越控除額を控除すると課税標準が算出されます。この課税所得金額から所得控除(次ページでお話する、各家庭の事情を考慮する為にある、税金軽減処置です。)を引くと、課税所得金額がでる事になります。